Eat in the Life. BTS photo vol.2
★CASAでのオフショット記事の続きです。おヒマ潰しにどうぞ。
*BTS photo = Behind The Scene photo(オフショットの意味)
>>前回からの続き
---CASAのコンセプトって?
『なるほど~。そのCASAのコンセプトって何かな?』
「少し長くなるんですけど、そもそもこの店は農園のアンテナショップとしての役割を持たせているのですが、僕の古くからの友人が三重県鈴鹿市で一人で百姓をやっているんですね。ものすごくこだわっていいものを作っているんですけど、単に質にこだわったいいものじゃなく、純粋に美味しいんですよね。それが無農薬やオーガニックでできているものですから、人にも自然にも優しいんです。ただ彼は、それが一番と言わずに、全てはバランスだって言いながら作り続けているんです。そこに共感したんですよね。」
『そうだね。確かに、毎日の食卓をこだわったものだけに~って難しいかもね。』
「そうですね。もちろん無理なく、こだわったものに全てを変えていけるならそれは素敵なことだと思います。羨ましいくらいですし(笑)。でも現実はなかなかそうはいかないです。子育て中のママは家事に追われて手間はかけられないし、こだわった食材は経済的にも負担が大きいし。また、〇〇じゃなきゃダメ!って考えに陥ってしまうと、それ以外は全て毒!のようになってしまい、結果的にストレスを溜め込みやすくなっちゃいます。」
『分かる。ウチにも小さい子がいるから。じゃぁ、どうすればいいの?』
「僕たちが考えているのは、まずは知ること、そして選択することの順なんです。知ってて選ぶのと知らないで選ぶのとでは、物の質もあり方も変わると思っています。これだけ情報が溢れているから、なんでも少し調べれば欲しい答えを瞬時に手に入れることができるんだけど、それが自分にとって確かなものかどうかは、まったく分からないんです。まずは頭の中をフラットな状態にして、物をよく観ること。そして、選ぶときに、これでいいよね!って手にすることですよね。」
『そうか~。確かに身体のことを考えればあまり選びたくないものを、嫌だなぁって気持ちで選んだらさらに悪くなりそうだもんね。』
「僕らがこだわった食材を扱っているからって、全てをそういうものにしている訳ではないですよ!僕らだって、ジャンキーなものも食べますよ。美味しいものは砂糖と油でできてるって思いますもん(笑)。ただ、少しばかり食への意識の向け方を変えているのかもしれません。その結果、選ぶものも変わり、好みも変わってくる話は他の人からもよく聴きますね。」
『いつからそうなったの?』
「もともと食に対する関心は人よりも高かったと思います。中学生の頃から料理は自分でしていましたし、学力もないのに、二十歳くらいの時に正常分子栄養学の公開講座を受けて栄養学にはまったことがあります。お金を貯めて敷居の高いお店に食べに行ったり、世界を旅しながらその土地の食べ物をいっぱい食べてきました。美味しいものがとにかく好きだったんですね。でも最初は無知ですから、『美味しんぼ』というマンガから影響を受けました。」
『あはははは。マンガが先生かぁ。いいね~それ。』
「マンガから影響を受けたことはそれ以外にもたくさんありますね!こと、食の安全という話においては、きっかけが『美味しんぼ』だったんです。しかもそこに書かれていることが、毎日口にしているものばかりを取り上げられていたので、もうビックリでした。でもその当時は難しいことはあまり理解できなかったので、結果的に美味しいか美味しくないかがポイントとして受け止めていました。」
『安全と美味しさってどんな風につながるの?』
「よく描かれているのは、〈〇〇だから健康に影響を与える可能性があり、素材も活かされず、なおも美味しくない。その一方で、手間暇をかけているものは安心して食べられて、しかも究極に美味しい。〉の図式だったんです。この当時の情報が今の考え方の基礎になっているようなものなのですが、この " 手間をかける "ってところが一番大切だなって思っているんですよね。 」
『確かに、ちゃんと作られたものって美味しいよね。』
「ですよね。ありふれた当たり前の日常のものに、あらためて関心を向けるのは案外難しいことかもしれませんが、何か少しでいいから手を加えることって、心を添えることでもあると思うんです。そうやって出来た食べ物って、その向こう側に誰かの顔が見えると思うんです。ちゃんと人の手で作られたものを食べると、身体だけじゃなく、心も育っていくんですよ。そういう当たり前のものだからこそ、ほんの少しでいいから意識を向けていくと、日常が少しだけ豊かに感じられるようになると思っています。そして何より、ほんの少しの手間で、ごはんやお味噌汁が格段に美味しくなるんです。」
---そもそもどうしてお米屋さんなの?
『なるほど~。そうやって聴くと、ごはんと味噌汁って、日本人にとっての食の原点で究極だね?そもそもどうしてお米屋さんを始めたの?』
「その質問をよくされるんですが、実はその友人の農家の応援をするようになってから、もう10年経つんです。」
『10年!?そんな前からやってるんだ~。』
「はい。三重県鈴鹿市にある、最高に美味しい自然栽培米 中山農園の中山篤志くんが、こだわりを持って本当に良いお米を作っています。最近は色々なブランド米や付加価値がついてむやみに高額なお米がありますけど、食べ比べてもらったら分かってもらえると思います。それくらい美味しさには自信を持っています。これは中山くんだけのことではないのですが、それだけ美味しいものを作れても、どうやって売っていけばいいのか?と悩まれている農家さんたちがたくさんいらっしゃいます。」
・・・・・そして話はついに
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